TBS『ごきげんテレビ』米版　放送四半世紀突入で米テレビ史上に新たな金字塔

2014.08.20

TBSの人気バラエティ番組『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の「面白ビデオコーナー」アメリカ版が、今秋から25 年目に突入することが決まり、米地上波G（ゴールデン）帯で、放送四半世紀という新たな偉業を達成した。

シリーズ再発注と放送25年目突入が確定したのは、TBSで1986年1月〜1992年3月まで放送された人気バラエティ番組『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の「おもしろビデオコーナー」をフォーマット化した“America’s Funniest Home Videos” (AFV：アメリカズ・ファニエスト・ホーム・ビデオズ)”。AFVは、アメリカの4大地上波ネットワークABC(現Disney/ABC)で1989年から放送を開始。2006年秋には放送17年目を迎え、60年超の歴史を誇るABCのエンターテインメント（バラエティ）番組史上、最も長寿の番組となった。以降、自らの記録を更新し続けているが、今秋、TBSと番組フォーマット契約を継続することが決まり、25年目の放送に突入して再び自らの長寿記録を更新する。視聴率競争が激しいアメリカの地上波ネットワークで10年を超える長期間、番組が放送されるのは極めて珍しく、ましてや20年を超える番組となると数えるほどしかない中で、四半世紀に及ぶ放送継続は金字塔と言える。

今年のエミー賞にもノミネートされた人気司会者のTom Bergeron（トム・ベージョラン）氏は、これまで番組2代目司会者として13年にわたりAFVのMCを務めたが、放送25年目を花道に新司会者にバトンタッチすることも表明している。

AFVのプロデューサーであるヴィン・ディボナ（Vin Di Bona）氏は、エミー賞を4回獲得したほか、アメリカで放送界の最高の栄誉とされるジョージ･ピーボディ賞を受賞。さらに2007年にはハリウッド殿堂入りも果たしている。またAFVは、2009年にスミソニアン博物館入りも果たしている。

また、AFVは一昨年の2012年にG（ゴールデン）帯での放送500回を達成。70年を超える米テレビ史上、星の数ほどあるテレビ番組の中で、これを達成したのは他には"Gunsmoke"（『ガンスモーク』）、"Lassie"（『名犬ラッシー』）、"The Simpsons"（『ザ・シンプソンズ』）の3番組しかない。

AFVは、アメリカ人であれば誰でも知っているほどの知名度を誇る番組で、現在でも人気を博している。放送開始の1989年から現在までに番組に寄せられたビデオは100万本を超えており、AFVのFacebookページのファンは、500万人近くに達している（2014年8月現在）。既に世界100ヶ国以上に輸出されており、世界的な「視聴者ビデオ投稿番組」のきっかけを作った番組とされ、“YouTube before YouTube.”（YouTube以前から存在するYouTube）とも称されている。

また『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』「おもしろビデオコーナー」は、これまでの世界展開が評価され、毎年カンヌで開催される世界最大規模の国際テレビ番組見本市MIPTV（ミップ・ティービー）が昨年開催50周年を迎えた際に、テレビ史に功績を残すとともに、世界的にも影響を与えたテレビ番組として厳選された「世界のテレビを変えた50作」に選出されている。

AFVは、TBSがアメリカBellon Entertainment社と共同で、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』「おもしろビデオコーナー」を、1988年に「フォーマット番組販売」※注１）したことで実現したもの。アメリカ人スタッフとキャストによって制作され、日本のオリジナル映像は一部の投稿ビデオを除いて、一切使われていない。